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BCP作成が介護事業所で義務化!概要と作成のポイントを丁寧に解説

2023.06.16
BCP作成が介護事業所で義務化!概要と作成のポイントを丁寧に解説

 

大阪を中心に介護・福祉事業の起業を考えている方、すでに開業している方向けのサポートを行っている、アステージ社労士・行政書士事務所です。


「BCP作成(策定)が介護事業所で義務化される」といわれていますが、そもそもBCPとはどのような内容なのでしょうか?スムーズに作成するためには、アウトラインを正しく理解しておく必要があります。


本記事では介護事業所で義務化されるBCPについて、概要や作成のポイントを丁寧に解説します。

2024年4月よりBCP作成が介護事業所で義務化される

2024年4月より、介護事業所や障害福祉サービス事業所でBCP作成が義務化されます。もともとは2021年4月に義務化されたものの、3年の経過措置が設けられていました。


BCPとはBusiness Continuity Planの略称で、業務継続計画という意味です。大規模災害・感染症・テロなどが起こったときでも、企業や事業所の重要な業務が継続できるよう、あらかじめ対処内容を計画したものを指します。


参考:厚生労働省「介護施設・事業所における自然災害発生時の業務継続ガイドライン

介護事業所でBCPを作成する意義

介護事業所には高齢者や障害者など、日常生活上で多くのサポートを必要とする人が利用しています。災害や感染症、テロなどでこれまでのサービス提供が遮断されると、身体・生命に大きな影響をおよぼす可能性があるでしょう。


あらかじめBCPを作成し、さらにスタッフへの周知・研修・訓練をくり返しておくことで、有事の際も利用者へ最低限の必要なサービスを提供できるようになります。

作成しなかった場合のリスク

もし2024年4月以降にBCPを作成しなかった場合、次のようなリスクが発生します。


 介護報酬の減算
 賠償責任
 社会的責任


厚生労働省の「令和3年度介護報酬改定における改定事項について」では、介護報酬アップが記されていますが、中に感染症対策の評価が含まれています。そのため、BCPを作っていないと、その分の介護報酬が減算となってしまうでしょう。


またBCP未作成下で災害や感染症などが発生し、利用者やスタッフに被害がおよんだ場合、賠償責任に問われるかもしれません。同時に社会的な責任を追及される可能性もあるでしょう。


参考:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定における改定事項について

介護事業所でBCPを作成するメリット

BCPを作成すると、介護事業所にとっていくつかのメリットが発生します。主なメリットを4つ見ていきましょう。

利用者やスタッフの生活・命を守れる

介護事業所として何よりも優先しなければいけないのが、利用者や働くスタッフの生活・命を守ることです。平常時はもちろんのこと、有事の際も率先して利用者やスタッフの生活・命を保障しなければいけません。


あらかじめBCPを作り、普段から周知・研修・訓練しておくことで、有事の際も場面に応じた適切な行動がとれるようになるでしょう。さらに「安全に配慮した事業所」としての社会的な信頼性が高まり、安定した経営にもつながります。

補助金・助成金の対象となる

自治体によってはBCPを作成し、さらに一定の要件を満たした介護事業所を対象とした補助金・助成金を利用できます。BCPの内容によっては、対策に大きな金額の費用がかかるでしょう。


事業所がある自治体で補助金・助成金があれば、BCP対策に必要なコスト削減に役立ちます。

税制優遇を受けられる

BCPの他に事業継続力強化計画を作り、さらに経済産業大臣から認定を受けると、中小企業防災・減災投資促進税制の優遇措置を受けられます。事業継続力強化計画はBCPと異なりますが、BCPの内容をベースにできるため、比較的スムーズに作成できるでしょう。


自家発電設備や浄水装置、揚水ポンプ、サーモグラフィ装置など対象設備が定められており、最大で20%の特別償却を受けられます。


参考:中小企業庁「中小企業防災・減災投資促進税制(特定事業継続力強化設備等の特別償却制度)の運用に係る実施要領

優先的にワクチンを接種できる

新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて、登録事業者は優先的に感染症のワクチン接種を受けられるのもメリットです。登録事業者の要件のひとつに、BCP作成があります。


働くスタッフが優先的にワクチンを接種することで、サービスを継続的に提供できるようになるでしょう。

介護事業所向け!BCPをスムーズに作成・活用するためのポイント

パソコンを打つ画像

一般企業と業務内容や求められているものが異なる介護事業所では、BCPをスムーズに作成・活用するための特有のポイントがあります。


最後に、介護事業所におけるBCPを作成・活用するためのポイントを見ていきましょう。

厚生労働省のガイドライン・ひな形を参考にする

厚生労働省でBCPに関するガイドラインを公開しているため、最初に内容を確認しておきましょう。大まかな内容を事前に理解しておくことで、スムーズに作成に取りかかれます。


またひな形もあるため、それぞれの事業所の現状に合わせながら活用するとよいでしょう。


参考:厚生労働省「介護施設・事業所における業務継続計画(BCP)作成支援に関する研修

6項目の記載を遵守する

厚生労働省の解釈通知では、BCPに以下6項目の記載を求めています。


感染症対策
 平時からの備え(体制構築や整備、備蓄品の確保など)
 初動対応
 感染症拡大防止体制の確立(濃厚接触者への対応、保健所との連携など)


災害対策
 平常時の対応(建物や設備の安全対策、必要品の備蓄など)
 緊急時の対応(BCP発動のタイミング、体制など)
 他施設や地域との連携


感染症対策と災害対策は内容が重なっている部分もあるため、一体的に作成しても問題ありません。


参考:厚生労働省「解釈通知

専門家にサポートを依頼する

BCP作成は単に義務を果たすだけでなく、有事の際も安全に事業所を運営するために欠かせないものです。厚生労働省のガイドラインやひな形があるものの、それぞれの事情に沿って丁寧に作成するのは、多くの介護事業所にとって負担が大きいでしょう。


たとえば、社会保険労務士事務所の中には、BCP作成のサポートをしているところがあります。専門家のアドバイスを受けながら、手間をかけずにより良いBCPを作れるでしょう。


アステージ社労士・行政書士事務所でも対応可能です。

当事務所のサポート内容はこちら

日頃からBCPの内容を周知・研修・訓練してお

BCPは作って終わりではありません。計画として完成していることと、内容を的確に運用できることはまったくの別物です。


実効性の高いものにするためには、BCPの内容を日頃から周知・研修・訓練しておくことが求められます。介護事業所の状況に沿って、あらかじめ年間計画などに盛り込んでおくとよいでしょう。

まとめ

BCPとは災害や感染症といった有事の際も、企業や事業所の重要な業務を続けられるよう、あらかじめ対処法を計画したものです。介護事業所では2024年4月から作成が義務化されます。


厚生労働省がガイドラインを公表しているため、まずはアウトラインを確認しておくとよいでしょう。通常業務が忙しく、なかなか作成まで手が回らない場合は、社会保険労務士といった専門家へ依頼するのもおすすめです。


アステージ社労士・行政書士事務所では、介護事業所向けにBCP策定プランをご用意しています。最短・最速で作りたい方向けの「ベーシックプラン」、ディスカッションしながら本格的なもの作りたい方向けの「コンサルティングプラン」の2つから、希望に合ったものをお選びいただけます。


BCP作成でお悩みの介護事業所・担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

執筆者情報

佐藤壱磨
事務所名:アステージ社労士・行政書士事務所
所属等:日本行政書士会連合会/全国社会保険労務士会連合会/大阪府行政書士会/大阪府社会保険労務士会/大阪商工会議所会員
【代表メッセージ】
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