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特定福祉用具販売事業

特定福祉用具販売事業とは

介護イラスト

要支援、要介護の利用者に、できる限り居宅で自立した日常生活ができるよう、利用者の希望や心身の状況、環境などを考慮し、適切な福祉用具の販売を行う事業を言います。

福祉用具には「貸与」と「販売」がありますが、保険の考え方としては、「貸与」が基本となります。しかし、排泄や入浴に関するものは衛生上なじまないので特定福祉用具販売の対象になっています。

福祉用具販売は2つに分けられます。

特定福祉用具販売 立した日常生活を送ることができるように、利用者の心身の状況を勘案して以下の適切な福祉用具の販売を行う事業 要介護1~5の方が対象です
特定介護予防福祉用具販売 要支援者に対して、適切な福祉用具の販売を行う事業 要支援1・2の方が対象です

特定福祉用具の種類

  1. 腰掛便座
  2. 特殊尿器
  3. 入浴補助用具
  4. 簡易浴槽
  5. 移動用リフトのつり具の部分

特定福祉用具販売の指定基準

介護

特定福祉用具販売事業を行うためには、都道府県又は市町村に事業者指定申請を行い、許可を受け、「指定福祉用具販売事業者」となる必要があります。

福祉用具販売事業を行うための指定基準は、次の4つの要件になります。

(1) 法人格があること

株式会社、合同会社、NPO法人、社会福祉法人などの法人を設立し、事業目的に介護事業を行う旨の記載が必要となります。

また、すでに会社組織である場合は、定款の事業目的(登記簿謄本に記載されている事業目的)に「実施事業」の文言が入っていることが必要です。

もし入っていなければ、定款・登記簿謄本の事業目的の変更手続を行う必要があります。

会社設立手続きについてはこちらをご覧下さい。

(2) 人員基準

職種 資格要件 配置基準
管理者 なし 専らその職務に従事する常勤の者1名
福祉用具専門相談員
  • 介護福祉士、義肢装具士、保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士 介護職員基礎研修修了者、介護員養成研修1級・2級課程修了者)
  • 福祉用具専門相談員指定講習の修了者
  • 都道府県知事が福祉用具専門相談員指定講習に相当すると認める講習の修了者
常勤換算で2人以上配置されていること*

*「常勤換算方法」とは、当該事業所の従業者の勤務延時間数を当該事業所において常勤従業者が勤務すべき時間(32時間を下回る場合は32時間を基本)で除することにより、 当該事業所の従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算する方法をいいます。

例:常勤が1日8時間労働・週5日勤務の週40時間労働の場合
週40時間常勤2名 + 週20時間非常勤1名 = 週の合計時間100h  100h÷40h=2.5

(3) 設備基準

事務室

職員、設備備品を配置できる広さ。

相談室

遮へい物設置など相談者のプライバシーに配慮されていること。

必要な設備、備品

福祉用具販売事業を行うために必要な設備、備品を備えること。

(4) 運営基準

厚生労働省令に定める運営に関する基準に従って、適正な事業の運営ができることが必要です。

主な運営基準項目
  • 販売費用の額等の受領
  • 特定福祉用具販売計画の作成
  • 衛生管理等
  • 適切な研修の機会の確保
  • 記録の整備
  • 秘密保持等
  • 事故発生時の対応

特定福祉用具販売事業の必要書類

指定申請を行うためには、以下の書類が必要となります。(各都道府県や市によっては若干異なります)

  1. 指定申請書(第1号様式)
  2. 特定福祉用具販売・特定介護予防福祉用具販売事業者の指定に係る記載事項
  3. 定款写し(原本証明が必要)
  4. 登記簿謄本(発行後3カ月以内の原本)
  5. 従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表
  6. 専門相談員の資格証明書の写し(原本証明が必要)
  7. 組織体制図
  8. 管理者の経歴書
  9. 設備・備品等の一覧表
  10. 事業所の写真(外観・内部)
  11. 事業所の平面図
  12. 事業所の案内地図
  13. 事業所が賃貸である場合はその賃貸借契約書の写し
  14. 運営規程
  15. 利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要
  16. 資産の状況を証明する書類(決算書、資本金支払証明書、通帳写し等)(原本証明必要)
  17. 損害保険加入を証明する書類
  18. 欠格事由に該当していない旨の誓約書
  19. 役員名簿
  20. 介護給付費算定に係る体制等状況一覧表

訪問介護/看護・障害福祉事業の立ち上げには専門家の支援を

訪問介護/看護・障害福祉事業を始めるには通常の事業よりも準備が複雑で大変なものになり、会社や法人としての登記に加えて実施サービス毎に指定申請が必要になります。資金調達や助成金受給などお金の面も管理しなくてはなりません。

このように訪問介護/看護・障害福祉事業の開業には複雑な部分が多く、無事に開業して本業に集中するためにも、専門家のサポートを受けることをおすすめします。

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