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介護障害福祉事業所の開業には会社設立が必須!4つの主な法人格を解説

2023.06.29
介護障害福祉事業所の開業には会社設立が必須!4つの主な法人格を解説

大阪を中心に介護・福祉事業の起業を考えている方、すでに開業している方向けのサポートを行っている、アステージ社労士・行政書士事務所です。


介護障害福祉事業所を新しく開業するためには、会社設立(法人設立)が必須です。しかし、これまでに会社をつくった経験がないと、どのように設立すればよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。


本記事では、介護障害福祉事業所開業における4つの主な法人格を解説します。また会社設立で失敗しないためのポイントも紹介するため、ぜひ参考にしてください。

介護障害福祉事業所の開業には会社設立が必須

介護保険法に基づく介護事業所や、障害者総合支援法に基づく障害福祉事業所の開業には、会社設立が必須です。しかし、すでに法人格を有している場合は、新たにつくる必要はありません。法人格には株式会社や社会福祉法人、NPO法人といった多様な種類があります。


特別養護老人ホーム・養護老人ホーム・軽費老人ホーム・障害者支援施設などは、利用者の保護の必要性が高い第1種社会福祉事業に該当します。原則として国や地方公共団体、社会福祉法人のみが運営できる点に注意してください。


また社会福祉法人以外で障害者総合支援法の就労継続支援A型を開業する場合は、もっぱら社会福祉事業を行うものでなければいけないとされています。


参考:厚生労働省「生活保護と福祉一般:第1種社会福祉事業と第2種社会福祉事業

介護障害福祉事業所のための会社設立!4つの主な法人格

法人格には多くの種類がありますが、これから介護障害福祉事業所の開業に向けて会社を設立する場合、株式会社・合同会社・NPO法人・一般社団法人の4つが現実的な候補となるでしょう。主な違いは次の通りです。

 

株式会社

合同会社

NPO法人

一般社団法人

最低資本金

1円以上

1円以上

制度なし

制度なし

設立時の費用

22万2,000円~

10万円~

0円~

11万2,000円~

設立に要する期間

1週間~2週間ほど

1週間~2週間ほど

4カ月ほど

1週間~10日ほど

役員

取締役1名以上

社員1名以上

理事3名以上

監事1名以上

理事1名以上

社会福祉法人は第1種社会福祉事業を運営できるものの、設立・運営に関する条件が厳しく設定されています。一般的には設立までに、年単位の時間を要するでしょう。


以下で4つの法人格の特徴と、メリット・デメリットを紹介します。

株式会社

株式会社は株式発行で資金を集めて、その資金を用いて運営・経営をしていく会社のことです。株主は会社の利益を配当として受け取り、また株主総会にて経営へ参加できます。

メリット

世間の認知度が高いため、社会的な信用を得られやすいでしょう。

株式発行によって投資家たちから資金を集めやすいのも、メリットとして挙げられます。


デメリット

他の法人格と比べて、設立時の費用が多くかかります。


また会社の成績や財務状況を株主へ公開する、決算公示の義務が生じます。

合同会社

合同会社は2006年に新しく誕生した法人格で、株式会社の小型版のようなものです。出資者が経営者となり、所有と経営が一致しています。

株式会社ほど認知されていませんが、グーグル合同会社やアマゾンジャパン合同会社といった有名企業が少なくありません。

メリット

株式会社よりも設立費用を抑えられるのはメリットです。

さらに将来的に株式会社へ組織変更できるため、小さい規模から介護障害福祉事業所をスタートさせたい方に適しています。

デメリット

世間では株式会社よりも社会的な信用が低く、取引先によってはマイナスの印象を与えかねないでしょう。

また株式会社のように株式を発行できないため、資金調達の範囲が限定されます。

NPO法人

NPO法人は特定非営利活動法人のことで、ボランティア活動といった社会貢献を目的とした法人格です。

名称は非営利となっているものの、利益を得ることはできます。ただし、利益は構成員のためではなく、社会貢献活動などのために使わなければいけません。

メリット

情報公開義務によって会社としての透明性へつながり、社会的な信用を得られやすいでしょう。

また税金の優遇制度を受けられるのもメリットです。収益事業による所得のみが課税対象で、たとえば、会員費といった収益事業以外の収入は非課税としてあつかえます。

デメリット

行政庁の認可申請が必要なため、申請内容によっては設立が認められないかもしれません。

そして所轄庁との相談や必要な書類作成など、準備に手間が必要です。申請から設立まで、4カ月ほどかかると考えておきましょう。

一般社団法人

NPO法人と同じように営利を目的としない非営利組織が、一般社団法人です。

設立にあたり、行政による許可や認可は不要です。公証役場で定款の認証を受け、法務局で登記すれば設立できます。

メリット

登記申請のみで、小規模から設立可能です。費用も安いため、できるだけ手間とコストを省いて介護障害福祉事業所を始めたい方に適しています。

また一般社団法人という名称から、公益性の高さをイメージしてもらえるのもメリットです。

デメリット

NPO法人と同様に、利益が発生しても構成員に分配できません。

さらに株式会社のように、決算公示の義務が生じます。

介護障害福祉事業所開業に向けた会社設立で失敗しないためのポイント

POINT

これから介護障害福祉事業所の開業を目的に会社を設立する際は、失敗しないためのポイントがいくつかあります。以下で主な内容を見ていきましょう。

類似商号がないかどうかをリサーチする

使用したい商号が決まったら、インターネット上で検索したり、自治体で公表している介護障害福祉事業所の名称リストをチェックしたりしながら、類似商号がないかどうかをリサーチしておきましょう。

同じ住所に類似商号の会社がなければ、登記上は自由に商号を決められます。しかし、ライバルから類似商号で訴えられるケースが発生しているため、類似商号の使用はできるだけ避けた方が無難です。

地域の特性や競合状況などに応じて本店所在地を決定する

会社設立においては、本店所在地の住所を決める必要があります。

介護障害福祉事業所を開業する場合に、本店所在地(もしくは介護障害福祉事業所)をどこにするかを決めることは、商圏の設定にもつながる重要な要素です。地域の特性や競合状況、場合によっては前の勤務先住所との距離といった考慮が必要な場合もあります。

本店所在地と介護障害福祉事業所の住所は、必ずしも同じである必要はありません。ただし、郵送物の管理などを考えると、本店所在地は実際の介護障害福祉事業所と一致させた方がよいでしょう。

何らかの事情で、事務所を借りる前に先に会社設立をしないといけないケースの場合(事務所探しに時間がかかるなど)は、自宅や実家を一旦本店所在地として登記します。事務所が決まってから本店所在地を移転することも可能ですが、別に本店移転登記の費用がかかる点に注意してください。

好ましい事務所物件が見つかり、会社設立前に借りる場合は「個人名義での契約→会社設立→会社名義での契約書き換え」のプロセスを踏みます。

なお、介護障害福祉事業所の指定権者(市といった自治体)に許可(指定)申請をする場合、賃貸契約書の提出が義務づけられていることがほとんどです。会社名義で借りていること、また使用目的は事業用であることなどがチェックされます。

会社設立のタイミングや事務所が見つかるタイミングなどにより、本店所在地をどこにするかを決めていくのが一般的ですが、どのパターンが良いかは専門家に相談しながら決めると安心です。

ドメインを取得できるかどうかを確認する


会社を設立し、介護障害福祉事業所を開業すると、人材や利用者を集めるためにホームページを立ち上げるところが少なくありません。ホームページやメールアドレスのドメインに会社名を利用すると、会社や介護障害福祉事業所としての信頼性が高まります。

ただし、他に似たような名称の会社がある場合、すでに希望するドメインが使われているかもしれません。そのため、希望のドメインを取得できるかどうかを確認しておくことが大切です。

定款の事業目的に介護障害福祉事業を行う旨を記す

介護障害福祉事業所を開業するためには法人格取得のほか、定款の事業目的に介護障害福祉事業を行う旨の記載が求められます。訪問介護や居宅介護支援など、提供するサービスの種類ごとに記載するのが基本です。

ただし、自治体によっては「介護保険法に基づく居宅サービス事業」など、包括的な記載を認めているところもあるでしょう。事前に確認しておくと、作業がスムーズに進みます。

出資者と役員の決め方に注意する

出資者とは株式会社でいう株主で、「会社の資金を出す人・意思決定権者」といえます。また代表取締役や取締役は「会社の運営責任者」といえるでしょう。

社長一人だけといった小規模なところの場合、上記2つは同一人物の場合が多いですが、たとえば、同等の立場の仲間と起業する場合などは出資の割合に注意が必要です。

株主の議決権の「3分の2以上」や「2分の1以上」で、会社の様々なことを決められるため、総発行株式数の67%以上を保有していれば、安心して経営していけるでしょう。

なお、合同会社の場合は、株式会社とは異なる取りあつかいとなります。法律上、合同会社における社員とは、従業員ではなく出資者のことです。株式会社でいう株主に相当します。

株式会社の株主の場合は、出資額に応じた議決権が与えられます。しかし、合同会社の社員は出資額にかかわらず、一人につき一票の議決権が与えられるため、意思決定の際は多数決で決められます。

そのため、他人同士が合同会社を設立する場合、後になって揉めることも想定しながら社員構成を考える必要があるでしょう。どちらかというと、家族経営に向いているといえます。

また注意が必要なのが、処遇改善加算の支給対象者でしょう。介護サービスに直接従事している従業員が対象で、使用者である代表取締役は基本的に対象外です。ただし、役員で介護サービスに従事している場合は支給対象となり得るため、支給対象となるかどうかを踏まえて役員を決める必要があります。

自治体によって支給対象者の判断が異なるため、詳細は各自で確認しておくと安心です。また役員は後から変更できます。

資本金の決め方に注意する

資本金は出資者が会社に出資した財産で、会社設立後の運営に必要な元手資金のことです。資本金をいくらにするかを、設立時に決めないといけません。会社法が改正され、現在は資本金1円でも設立が可能です。

しかし、現実的には運営に問題がない範囲での資本金額設定が無難です。また資本金は登記事項であり、誰でも確認できるため、信用面においてもある程度の金額設定が望ましいでしょう。

資本金額を決める際のポイントは、次の3つです。


 初期費用+3カ月~6カ月分の運転資金をカバーできる額を設定する
 消費税免除は気にしない
 融資を受けることを念頭に置く

資本金1,000万円未満の会社では、会社設立1期目(2期目は別の条件あり)の消費税の納税義務が免除されています。しかし介護障害者福祉事業における介護報酬は、消費税の課税対象外であるため、消費税の問題を気にする必要がありません。

「資本金=自己資金」とは限りませんが、会社として日本政策金融公庫や銀行に融資を申し込む際に、資本金を含めた自己資金がいくらあるかは、融資担当者が必ず見る重要なポイントです。一般的に資本金を含めた、自己資金の2倍程度の融資が受けられることが多いでしょう。

適切な決算月を設定する

大企業では決算月を3月とすることが多いですが、新設の会社では事業年度を何月から何月にするかを自由に決められます。ただし、以下の点などを考慮しながら決定する必要があります。

支出が多い時期を避ける

支出が多い時期は、できるだけ避けましょう。

法人税の申告と納付は、決算日の2カ月後までに行う必要があります。たとえば、3月末日が決算日である場合、5月31日までに法人税の計算と納付をしなければいけません。

法人税の納付を行う月には、場合によっては多額の資金が必要です。もし納付を行う月が、資金繰りが厳しくなる月と重なってしまうと、最悪の場合には資金ショートを起こしてしまう可能性があります。

たとえば、7月に夏の賞与を支給する予定の場合に決算月を5月末日にすると、法人税等の支払いと重なって、資金繰りが大幅に悪化しかねません。

資金繰りに大きな影響が出ないよう、支出が多い時期はできるだけ避けた方が無難です。

繁忙期を避ける

税理士へ決算書の作成や申告を依頼されるケースがほとんどですが、依頼に向けた準備には会社の担当者もある程度の時間が割かれます。そのため、繁忙期を避けるようにしましょう。

また特に介護障害福祉事業の場合、書類提出義務がある年度末などを避けた方がよいかもしれません。

会社設立月より先の月に設定する

会社を5月に設立して6月を決算にすると、1カ月ほどで決算を迎え、決算申告の準備ですぐに忙しくなります。反対に会社設立時期から一番遠い月にすると、すぐに決算をしなくて済むでしょう。

5月設立の場合は、4月の設定がおすすめです。

決算月は後から変更できる

決算月は後から変更できます。そのため、最初の会社設立で設定した決算月で運用し、不具合がある場合は変更を検討するとよいでしょう。

変更する場合、定款に定めた事業年度の変更であるとともに、税務署へ以下の書類を提出します。

 株主総会で決算月変更の決議をした旨が記されている議事録
 異動届出書

議事録はコピーで構いません。

時間に余裕を持って作業を進める

法人格によっては、1週間~2週間といった短期間で設立できます。しかし、介護障害福祉事業所開業には会社設立以外にも準備しなければいけないものが膨大にあるため、できるだけ時間に余裕を持って作業を進めるようにしましょう。

社会保険労務士事務所や行政書士事務所などの中には、会社設立を含む介護障害福祉事業所の開業をサポートしているところがあります。費用はかかりますが、専門的なサポートを通じて、最小限の労力で会社設立・介護障害福祉事業所の開業を実現できます。

まとめ

介護障害福祉事業所の開業には、法人格の取得が必要です。

これから新しく取得する場合は、株式会社・合同会社・NPO法人・一般社団法人が現実的な候補となります。それぞれでメリットやデメリットが異なるため、個々の状況に合わせて法人格を選ぶとよいでしょう。

アステージ社労士・行政書士事務所では、これから介護障害福祉事業所の開業を考えている方向けに「開業応援パック」を提供しています。会社設立はもちろん、指定許可申請や税務届出、社会保険加入などが含まれた内容です。開業にかかる負担を減らし、人材確保や利用者確保などへ専念していただけます。

介護障害福祉事業所の開業を予定している方は、ぜひお気軽にご相談ください。

執筆者情報

佐藤壱磨
事務所名:アステージ社労士・行政書士事務所
所属等:日本行政書士会連合会/全国社会保険労務士会連合会/大阪府行政書士会/大阪府社会保険労務士会/大阪商工会議所会員
【代表メッセージ】
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介護・福祉事業の創業を数多くお手伝いしている実績をもとに、法人設立・指定申請などの手続き、助成金や融資、開設後の運営もご相談頂ける「身近な専門家」として、常にお客様の立場に立ったサービスを心がけ、全力でお手伝いさせて頂きます。

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