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訪問看護のファクタリングとは?メリットやデメリットも解説

2024.06.15

大阪を中心に介護・福祉事業の起業を考えている方、すでに開業している方向けのサポートを行っている、アステージ社労士・行政書士事務所です。

訪問看護ステーションを運営するにあたり、特に開業直後で直面しやすいのが、資金繰りではないでしょうか。資金調達の方法のひとつが、ファクタリングです。

本記事では、訪問看護のファクタリングについて、メリットやデメリットなどと一緒に解説します。

訪問看護のファクタリングとは早期の現金調達方法のこと

訪問看護でも利用されているファクタリングとは、早期の現金調達方法のことです。介護報酬や診療報酬の債権を、国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金へ譲渡し、現金や預金を調達します。

ファクタリングを利用する際の流れは、次のとおりです。

①ファクタリングサービスの提供会社と債権譲渡契約を結ぶ
②国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金へ、介護報酬や診療報酬を請求する
③ファクタリングサービスの提供会社が事業者に、手数料を引いた国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金への請求額の79割を支払う
④国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金が、ファクタリングサービスの提供会社に介護報酬や診療報酬を支払う
⑤ファクタリングサービスの提供会社が、事業者に残金を支払う

国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金への介護報酬・診療報酬の請求から、ファクタリングサービスの提供会社より請求額の一部が支払われるまでの期間は、2週間ほどです。

訪問看護でファクタリングを利用するメリットとデメリット

訪問看護でファクタリングを利用すると、次のようなメリットやデメリットがあります。

できるだけ早く資金を調達できる

たとえば、国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金へ介護報酬・診療報酬を請求すると、請求から入金までに2カ月ほどかかります。しかし、訪問看護ステーションの運営では家賃や光熱費、スタッフの給与といった多様な支出が毎月生じ、中には資金繰りで困難を感じるステーションもあるでしょう。

ファクタリングを利用すると、通常よりも早く資金を調達できるため、ステーションの経営が楽になります。

申し込みに関する手間が少ない

現金調達方法のひとつに、金融機関からの融資があります。しかし、担保や保証人、事業計画書などを事前に準備しておく必要があり、手間がかかるのが現状です。

一方でファクタリングの場合は、担保や保証人、事業計画書などを不要としているサービス提供会社が多いため、申し込みに関する手間を大きく省けます。

手数料が発生する

ファクタリングを利用すると、サービス提供会社への手数料が発生します。

手数料の率はサービス提供会社によって異なるものの、おおむね1%3%が相場です。

調達できる資金額に限りがある

ファクタリングで調達できる資金額は、実際に請求できる介護報酬額や診療報酬額の範囲内です。そのため、範囲内の金額以上の資金を調達したい場合は、他の方法を利用しなければいけません。

またファクタリングは早期の資金調達に便利ですが、介護報酬や診療報酬の前借りのようなものです。後々のことを考えて、計画的に利用する必要があるでしょう。

開設時の資金調達で適しているのは、日本政策金融公庫からの創業融資です。「訪問看護の開業・立ち上げに必要な資金は?内訳や資金調達方法・助成金について解説」でも解説しているため、ぜひチェックしてみてください。

訪問看護におけるファクタリングの利用例

実際に訪問看護では、どのような場面でファクタリングを利用しているのでしょうか?以下で主な利用例を紹介します。

事業のスタート直後

まずは事業のスタート直後です。訪問看護ステーションを新しく始める場合、2カ月分ほどの開業資金を準備しておくのが一般的です。

しかし、中には十分な開業資金を準備できないまま始めてしまい、事業のスタート直後に資金が不足するケースも珍しいことではありません。「予定していた利用者数を集められなかった」「十分な訪問回数を得られなかった」など、資金不足におちいる要因はいくつもあります。

突発的な支出が生じるとき

突発的な支出が生じるときに、ファクタリングを利用するケースもあります。

利用者の数が増えてくると同時に、看護師を始めとするスタッフを増やすことは通常のことです。しかし、スタッフを増やした後に利用者数が減ったり、予想していたよりも増えなかったりすると、人件費が多くかかってしまいます。

また夏や冬のボーナスを支給する月は、通常の給与支給と合わせて、一時的な支出額が増加しやすいでしょう。

サテライト事業所を開設するとき

サテライト事業所とは出張所のことで、本体事務所に含めて訪問看護の指定を受けられるものです。設置によって、収益性の向上や働きやすい環境づくりなどに役立ちます。

通常より少ない初期費用で設置できるものの、開設するタイミングでは、家賃や人件費などで想定より支出が多くなる可能性があるでしょう。

サテライト事業所については「訪問看護の事務所は自宅でも開設できる?サテライトの特徴なども紹介」で紹介しているため、ぜひご覧ください。

まとめ

訪問看護のファクタリングとは、早期に現金を調達できる方法です。介護報酬や診療報酬の債権を、国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金へ譲渡し、現金や預金を調達します。

通常の介護報酬や診療報酬の請求よりも早く現金を得られるのは大きなメリットですが、手数料がかかったり、調達できる資金額に限りがあったりする点には注意しましょう。記事内で紹介した利用例を参考にして、限定的に活用するのが安心です。

アステージ社労士・行政書士事務所では「開業応援パック」を始め、訪問看護ステーションの運営を支えるさまざまプランを提供しています。どうぞ気軽にご相談ください。

執筆者情報

佐藤壱磨
事務所名:アステージ社労士・行政書士事務所
所属等:日本行政書士会連合会/全国社会保険労務士会連合会/大阪府行政書士会/大阪府社会保険労務士会/大阪商工会議所会員
【代表メッセージ】
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